「まほろ駅前 多田便利軒」(三浦しをん)
- 2009/02/22
- 22:46
不思議な町の不思議な便利屋さんのお話。直木賞受賞作とは知りませんでした。最近の直木賞は新人の登竜門というより、ある程度力量が認められた作家がより知名度を上げる賞みたいな感じがしています。賞抜きにしてもしっかりとした物語でした。設定は全然違うのですが、「風が強く吹いている」の登場人物たちに似通った「におい」のする人々が物語を紡ぎます。
作家は自分の作品の中ではある意味神に等しい存在です。設定とか背景とか、登場人物の性格や成育史など、作家はすべてをわかった上で物語を動かします。読み手はその作家の導きに沿って物語の世界を理解すると言えます。でもこの物語はちょっと違うような感じがしました。作家もまた読み手と同じような白紙の状態から登場人物の動きや心情を拾って行っているような感じです。実際はそんなことはありえないのですが。
「不思議な町」と書いたのは、舞台が東京近郊らしいのになぜかさびれた田舎町を思わせるのです。さらに現代の話なのですが、戦後の混乱した無法地帯を思わせる町の雰囲気です。また主人公の相棒は得体の知れない人物です。大沢在昌さんなどに書かせたらハードボイルドのサスペンス小説となりそうな設定なんですよね。
でも三浦さんにかかると、さらりとしたどこかほんわりした印象の物語になってしまいます。街娼にチンピラ、クスリの運び屋まで出てきます。主人公の家庭は破綻し、相棒もなんか秘密めいた過去を持っています。二人とも心的につらい過去を持っているのですが、それで生活の根本が破綻しているわけではなさそうで、不思議な雰囲気を持っています。
わかるようでわからないのですが、さっぱりとした読後感がありました。
土日は阪神の紅白戦を満喫しました。昨日の上本選手はすごかったですね。ずっとスポットが当たっていました。夕方のニュースによると一軍帯同が決まったようです。鳥谷選手はショートレギュラーの位置が確約されているスタートのようでしたから、いろいろと大変だったと思いますが、上本選手は自分の能力を見せ付けての一軍昇格なので、チームにもファンにも受け入れられ、期待されると思います。阪神は取り立てて守備のうまい選手がいないので、上本選手の野球センスがとても楽しみです。
処々で東京六大学野球の録画中継がなくなるかもしれないとの情報を目にし、ちょっと心配です。日テレのサイトに「動画配信は3月末で終了」とあるのは昨年のリーグ戦の動画のことだと思っていたものですから。テレビ中継がなくなれば動画もないですものね。不況の影響でしょうか。実況も解説もいらないから、是非続けて欲しいものです。まだ未定らしいですが、今まではそんなこと話題にもならなかったわけで、望み薄のような気もします。
作家は自分の作品の中ではある意味神に等しい存在です。設定とか背景とか、登場人物の性格や成育史など、作家はすべてをわかった上で物語を動かします。読み手はその作家の導きに沿って物語の世界を理解すると言えます。でもこの物語はちょっと違うような感じがしました。作家もまた読み手と同じような白紙の状態から登場人物の動きや心情を拾って行っているような感じです。実際はそんなことはありえないのですが。
「不思議な町」と書いたのは、舞台が東京近郊らしいのになぜかさびれた田舎町を思わせるのです。さらに現代の話なのですが、戦後の混乱した無法地帯を思わせる町の雰囲気です。また主人公の相棒は得体の知れない人物です。大沢在昌さんなどに書かせたらハードボイルドのサスペンス小説となりそうな設定なんですよね。
でも三浦さんにかかると、さらりとしたどこかほんわりした印象の物語になってしまいます。街娼にチンピラ、クスリの運び屋まで出てきます。主人公の家庭は破綻し、相棒もなんか秘密めいた過去を持っています。二人とも心的につらい過去を持っているのですが、それで生活の根本が破綻しているわけではなさそうで、不思議な雰囲気を持っています。
わかるようでわからないのですが、さっぱりとした読後感がありました。
土日は阪神の紅白戦を満喫しました。昨日の上本選手はすごかったですね。ずっとスポットが当たっていました。夕方のニュースによると一軍帯同が決まったようです。鳥谷選手はショートレギュラーの位置が確約されているスタートのようでしたから、いろいろと大変だったと思いますが、上本選手は自分の能力を見せ付けての一軍昇格なので、チームにもファンにも受け入れられ、期待されると思います。阪神は取り立てて守備のうまい選手がいないので、上本選手の野球センスがとても楽しみです。
処々で東京六大学野球の録画中継がなくなるかもしれないとの情報を目にし、ちょっと心配です。日テレのサイトに「動画配信は3月末で終了」とあるのは昨年のリーグ戦の動画のことだと思っていたものですから。テレビ中継がなくなれば動画もないですものね。不況の影響でしょうか。実況も解説もいらないから、是非続けて欲しいものです。まだ未定らしいですが、今まではそんなこと話題にもならなかったわけで、望み薄のような気もします。
- 関連記事
-
- 「納棺夫日記」(青木新門) (2009/02/24)
- 「まほろ駅前 多田便利軒」(三浦しをん) (2009/02/22)
- 「バカと東大は使いよう」(伊東 乾) (2009/02/06)
スポンサーサイト